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日ごろから「自分がもっとTOKを体現できればなぁ~」と考えています。本質を見極め、課題に正対して解決策を考えることができれば、世の中がかなりよくなるのではないか?と思えます。そんな時に出会ったのが、ドラマ「ミステリと言う勿れ」。「これこそ、TOKを体現した人なのでは?!」とのめりこむ様に視聴したものです。生徒にもその主人公のように考える力が身につくといいなぁと思い、その理想像(?)を生徒と共有し、授業に臨みました。

まずは「人間科学」の領域。
ドイツのとある施設に集められた男女8人が、専制政治下の暮らしを疑似体験するとどうなるのか、という実験を追ったドキュメンタリーを観ました。数ある生活用品のうち「〇個だけ使ってよい」という通達が下され、必需品とそうでない物について議論する場面があり、視聴後に生徒も同じ題材でグループ協議を行いました。それぞれの立場の違いをふまえて合意形成することがいかに難しいかがうかがい知ることができたようです。最後に授業者から「集団において”知識”を共有するためには、どのような判断基準が必要になるだろうか?」という疑問が投げかけられました。「民主主義」という言葉は私たちに知れ渡った言葉ではありますが、その概念を深く理解できているか、その本質を考えさせられる問いであると思います。

次に、「倫理」の領域。この時間は問いづくりに挑戦しました。
病院により「植物人間」と診断されながらも、実は「意識があった」と訴える患者たち。一連の話を聞いて、「植物人間ってなんだろう」とか「なぜ母親は息子に意識があると思ったのか」などの第1段階の問いが生徒から出されました。続いて、「植物人間」を取り巻く社会の現状について資料を提示されると、さらに深い問いが作れないか、生徒は頭を捻らせていました。例えば、「そもそもなぜ~」や「今後、○○はどのように変化していくだろうか」などの問いが出ることを想定していましたが、生徒からは出てきませんでした。(ちょっと内容が難しかったですかね ^o^;)

とはいえ今後、生徒は各々の研究テーマからより深い問いを導き出し、研究を進めていかなければなりません。少しずつ、問いを深めるスキルを身につけていってもらいたいと思います。

最後に、去年の卒業生が来校し、4年生の研究について相談に乗ってくれました。先輩が探究で身につけた知見が継承されていく様子が見られました。こういったつながりがいつまでも保たれているのが本校の強みと言っても過言ではありません。


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